正枝先生の小児科診療日記 vol.4

Vol.04

「熱はそんなに上がりませんでした。右側も腫れて、アンパンマンみたいでしたよ。」と、4歳のシュウ君のお母さんがおかしそうに話します。
4日ぐらい前に、左側の頬が痛いと来院しました。
その前日から、ご飯を食べると痛いと言っていたとのことです。
触ると、左耳介の下の耳下腺が腫れていて、顎の下の両側顎下腺も腫れていました。
右の耳下腺はまだ、腫れていませんでしたが、おたふくですと話しました。
腫れるところがつばきを出す腺なので、何かかむと痛いかもしれませんと。 でも、食欲は変わらなかったそうです。今日は、もう、腫れもひけて、いつものシュウ君の顔です。

<流行性耳下腺炎(おたふく風邪)>

流行性耳下腺炎はムンプスウィルスの感染によるものです。幼児期にかかることが多く、全体の60%は3~6才でかかるといわれています。
耳下腺、顎下腺などの唾液腺が腫れて、顔がおたふくのようになることから、おたふく風邪と呼ばれています。合併症として無菌性髄膜炎や感音性難聴などがあります。 年長児や成人男子では、精巣炎の合併が高頻度にみられます。  
熱のあるうちは安静にして、感染拡大を防ぐため、耳下腺の腫脹が続く間は、登園、登校はひかえます。

シュウ君の両頬を両手でくるむようにして、触って、耳下腺、顎下腺の腫れがひけているのを、確かめます。「腫れがひけましたね。明日から、幼稚園に行けますよ。」と言うと、急に、もじもじしだしたシュウ君、お母さんの耳元ににじり寄って、小さな声で、「ママ、僕、このヒト、すきになっちゃった。」ですって。思わず、先生、顔を赤らめてしまいましたよ(笑)

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